ドイツ カールスルーエ

クラインガルテン協会視察(2013年7月22日)

 

クラインガルテンとは日本語に訳すると「小さな庭」。

市民農園 市民菜園 として利用されている。

ドイツの南西部にあるクラインガルテン連盟のアルフレッド ルーティン連盟長を訪問した。以下インタビューより一部抜粋したものを紹介する。

 

ドイツではここ10年ぐらい、食の問題等も後押ししクラインガルテンに対する人気が高まっている。クラインガルテンを利用することで、身体・肉体的にに健康になり、また精神的に健康につながっていく。利用者は、街の中や高層住宅に住んでいて身近に土をいじることが出来ない人が借りることが多く、周辺地域と社会的なコンタクトや社会性を非常に重要視されるので、そこが特に最近注目される点である。

また、クラインガルテンは緑地として都市機構の改善として、ミュンヘン、フランクフルトなどの大きな町に新鮮な空気を供給する役割がある。ほこり、ちり等を抑えたり、温度、温暖化を抑える役割があり、より適度な湿度を抑える都市機構の改善に有意義である。

近年は、ビオトープとしての価値としても非常に高まり、国で行った調査によると、クラインガルテンは質の高いビオトープであり、動物や植物の種類によっては、自然界にはない絶滅したようなものでもクラインガルテンには残っていることもあることが分かった。

※「病院のベッドが1つ減る」と言われるぐらい、クラインガルテンの利用を国が推奨している点にも着目しながら、協会の運営等の詳細につきましても快く案内いただきました、コーディネーターの松田様に感謝申し上げます。※詳細は大学院の修士論文にて、欧州のライフスタイルの研究にて執筆。

 

歴   史

1814年 ドイツで最初の「クラインガルテン協会」

1864年 ライプツィヒで最初の「シュレーバーガルテン協会(クラインガルテン協会)」がつくられ、ドイツ各地に広まった。現在、ドイツでの利用者50万人を超える。

利用目的:老後の生きがいや余暇の楽しみの創出だけではなく、緑地保全や子ども達への自然教育の場として大きな役割。

面   積:約100  賃貸期間30年  賃貸料金:年間100

利用規則

クラインガルテン法(1983制定)に基づき、地域の協会連盟が具体的な使用規則、各クラインガルテン協会が会則 を定めている。       

Laubeラウベ)の設置 床面積24㎡以下(カールスルーエ市16㎡以下)。

・農作業 除草剤の使用禁止。 使用できる農薬は限られている。コンポストの設置義務

・利用方法 野菜、果樹、草花が1/3以上。 敷地の20%以上をコンクリートや石で覆ってはならない。

 

▣クラインガルテン利用者を訪問

 クラインガルテン 「湖畔の草原」

 

100坪のガルテンの中にはラウベが設置され、庭仕事の道具等が収納されている。ラウベの中で宿泊は禁止されている。

 

 

 

 

クラインガルテンは、緑の緑地として公園の1つに位置づけされており、ガルテンの中は、車いすの利用がしやすいように通路の段差や幅に工夫がなされている。

また、車いすに乗ったまま、あるいは腰を屈めないで作業ができる腰高に積み石したスペースに野菜などを植えるなどの工夫もなされている。